「少女不十分」 -十分すぎるほど不十分な少女の"物語"- [ラノベ]
西尾維新の最新作「少女不十分」、読了。
ちょっと紹介など。
・限りなく自伝に見せかけた"物語"
この作品、30歳の作家の男性が20歳のデビュー直前を回想しながら書かれているんですが、冒頭からの自分語り、さらにはこの本を書いたきっかけ、そして「これから自分のトラウマになったことを書く」とまで書かれていて、読んでいると「あれっ、もしかして西尾維新の自伝!?」と思わされます。
しかし、回想に入ってしばらくした時に起こるある出来事。
後述のために明かしておくと、少女に監禁されます。それもかなり異質な少女に。(大人を監禁するような少女が異質じゃないわけがないですがw)
この出来事が強烈過ぎて一気に現実に、いや、物語に?引き戻されます。
「あぁ、やっぱり物語なんだな。」、と。
大人が少女に監禁される?そんなことあるわけないだろ、と思うかもしれませんが、この物語の主人公は小学生に小刀をつきつけられて何もできずに従ってしまいます。(それでも大人かw)
てか、現実味を出すために使われたであろう「担当編集の寿退社」、本当に寿退社されたのかもしれませんが、まさかラストのあの演出をするためだったとは。
・少女の不十分性
タイトルでちょっと遊んでますが、この少女、とにかく不十分。
主人公が監禁される原因となることなのですが、友達が車に轢かれた時、少女はやっていたゲームをセーブしてから友達の元へ駆け寄ります。真っ先に駆け寄るのではなく、セーブしてから。
そして、その一瞬を主人公に見られたと思って主人公を監禁しようとする。
しかも、監禁している間は何か言ってるんだけど声が小さくて何言ってるか分からない。やっと聞こえるようなボリュームでしゃべったとしても、ボソボソとしゃべるだけ。 でも、挨拶だけは妙にこだわる。
さらに、監禁の仕方が雑で、時々鍵を閉め忘れたり、小刀を監禁場所に忘れたり。。
しかも、主人公が「おなかがすいたんだけど、何か食べるものはないか」と言うと自分の給食を全部ビニール袋に入れて持って帰ってくる極端さ。
なんだこれは。
・逃げ出さない主人公
携帯を持っていた主人公、その気になれば警察に連絡して助けに来てもらえばいいものを、そうしない。
しかも、上で書いたように少女は鍵を閉め忘れたりするんだからいつでも逃げれる、ていうか、大人なんだから少女くらい力でねじ伏せれそうなのに、そうしない。
なぜか。
いわゆる、「ストックホルム症候群」ってやつ。人質が犯人に情を寄せちゃうってことです。
警察に連絡してしまうと大事になってしまい、少女がどうなってしまうか分からない。最悪少女の未来はつぶされてしまう。
そんなことを考えて、逃げようと思っても「親が帰って来るまで」とか、「明日まで」とかいろいろ理由をつけて逃げるのを引き伸ばしにする。
まぁ、これは主人公のモデルが西尾維新本人だからでしょう。
普通の大人だったら監禁される前に逃げるw
・「この本を書くのに、10年かかった。」
この作品、テーマとしては、「道を踏み外してしまった人間が、頭のおかしな人間が幸せになれるか?」ということ。
この不十分な少女が、そしておかしな人間だと自称している主人公の男性が。
そして、引き合いに出される「戯言シリーズ」、「零崎シリーズ」、「物語シリーズ」・・・etc
すべて西尾維新がこの10年に出版してきて、このテーマに即するもの。
まさに西尾維新の10年の集大成としての本作。
だからこその「10年かかった」。。
西尾維新ファンならもちろん、ファンじゃなくても是非手に取って欲しいこの作品。
全編主人公語り部("主人公視点"とはちょっと違いさらに極端)で進んでいき、途中かなり自分語りも入っているのにサァーーッと読め、面白かったです。
・おまけ
戯言シリーズが出版された当時から読んでいるわけではないので今更なのかもしれませんが、一応。
今回の主人公のモデルは確実に西尾維新。で、感じたことといえばこの主人公っていーちゃんに似てる?ってこと。
もしかして「いーちゃん」て単純に維新の「い」なのかな。
今回、記事を書く前にこれを読んでいたからか、この記事の内容と似た部分が多々あります。
ってか、こっちの方が断然読みやすいし、面白さは伝わると思うんで、こっちを是非読んでください。
小学生の少女に監禁されて幸せになれるか。西尾維新10年間の集大成『少女不十分』(エキサイトレビュー)
ちょっと紹介など。
・限りなく自伝に見せかけた"物語"
この作品、30歳の作家の男性が20歳のデビュー直前を回想しながら書かれているんですが、冒頭からの自分語り、さらにはこの本を書いたきっかけ、そして「これから自分のトラウマになったことを書く」とまで書かれていて、読んでいると「あれっ、もしかして西尾維新の自伝!?」と思わされます。
しかし、回想に入ってしばらくした時に起こるある出来事。
後述のために明かしておくと、少女に監禁されます。それもかなり異質な少女に。(大人を監禁するような少女が異質じゃないわけがないですがw)
この出来事が強烈過ぎて一気に現実に、いや、物語に?引き戻されます。
「あぁ、やっぱり物語なんだな。」、と。
大人が少女に監禁される?そんなことあるわけないだろ、と思うかもしれませんが、この物語の主人公は小学生に小刀をつきつけられて何もできずに従ってしまいます。(それでも大人かw)
てか、現実味を出すために使われたであろう「担当編集の寿退社」、本当に寿退社されたのかもしれませんが、まさかラストのあの演出をするためだったとは。
・少女の不十分性
タイトルでちょっと遊んでますが、この少女、とにかく不十分。
主人公が監禁される原因となることなのですが、友達が車に轢かれた時、少女はやっていたゲームをセーブしてから友達の元へ駆け寄ります。真っ先に駆け寄るのではなく、セーブしてから。
そして、その一瞬を主人公に見られたと思って主人公を監禁しようとする。
しかも、監禁している間は何か言ってるんだけど声が小さくて何言ってるか分からない。やっと聞こえるようなボリュームでしゃべったとしても、ボソボソとしゃべるだけ。 でも、挨拶だけは妙にこだわる。
さらに、監禁の仕方が雑で、時々鍵を閉め忘れたり、小刀を監禁場所に忘れたり。。
しかも、主人公が「おなかがすいたんだけど、何か食べるものはないか」と言うと自分の給食を全部ビニール袋に入れて持って帰ってくる極端さ。
なんだこれは。
・逃げ出さない主人公
携帯を持っていた主人公、その気になれば警察に連絡して助けに来てもらえばいいものを、そうしない。
しかも、上で書いたように少女は鍵を閉め忘れたりするんだからいつでも逃げれる、ていうか、大人なんだから少女くらい力でねじ伏せれそうなのに、そうしない。
なぜか。
いわゆる、「ストックホルム症候群」ってやつ。人質が犯人に情を寄せちゃうってことです。
警察に連絡してしまうと大事になってしまい、少女がどうなってしまうか分からない。最悪少女の未来はつぶされてしまう。
そんなことを考えて、逃げようと思っても「親が帰って来るまで」とか、「明日まで」とかいろいろ理由をつけて逃げるのを引き伸ばしにする。
まぁ、これは主人公のモデルが西尾維新本人だからでしょう。
普通の大人だったら監禁される前に逃げるw
・「この本を書くのに、10年かかった。」
この作品、テーマとしては、「道を踏み外してしまった人間が、頭のおかしな人間が幸せになれるか?」ということ。
この不十分な少女が、そしておかしな人間だと自称している主人公の男性が。
そして、引き合いに出される「戯言シリーズ」、「零崎シリーズ」、「物語シリーズ」・・・etc
すべて西尾維新がこの10年に出版してきて、このテーマに即するもの。
まさに西尾維新の10年の集大成としての本作。
だからこその「10年かかった」。。
西尾維新ファンならもちろん、ファンじゃなくても是非手に取って欲しいこの作品。
全編主人公語り部("主人公視点"とはちょっと違いさらに極端)で進んでいき、途中かなり自分語りも入っているのにサァーーッと読め、面白かったです。
・おまけ
戯言シリーズが出版された当時から読んでいるわけではないので今更なのかもしれませんが、一応。
今回の主人公のモデルは確実に西尾維新。で、感じたことといえばこの主人公っていーちゃんに似てる?ってこと。
もしかして「いーちゃん」て単純に維新の「い」なのかな。
今回、記事を書く前にこれを読んでいたからか、この記事の内容と似た部分が多々あります。
ってか、こっちの方が断然読みやすいし、面白さは伝わると思うんで、こっちを是非読んでください。
小学生の少女に監禁されて幸せになれるか。西尾維新10年間の集大成『少女不十分』(エキサイトレビュー)
小説としての「魔法少女まどか☆マギカ」 [ラノベ]
自分、杏子派です(キリッ
小説版の魔法少女まどか☆マギカについて、少し書いていきたいと思います。
ちょっと自分の中でのことを一般化しようとしている節があるのでご注意。
比べ物にならない感情のあたり、文章変だったので直しました。(今更ですが。)
タグ:まどか☆マギカ